B.G.U. on Chime For Change
Yumeの記事、Audreyが撮ったJi Hanの写真がChime for Changeに掲載されました!!
Japan Spotlight をクリックすると、日本語または英語で読めます。
下記はB.G.U.編集長のYumeが最近思っていることについて書いてみました。
By Yume Morimoto
有名ブランドや大企業が突然流行りかのように扱い始めた、「ジェンダー」、「クイア」、「LGBT+」「フェミニズム」、「平等」等… クイアやフェミニズムを単純化し、美化していることが多いと感じる今日この頃。「扱っている」だけで、表面上で見せる「エンパワーメント」メッセージの裏には、差別的な構造に加担し、内に向けては全くエンパワーメントや平等なんて考えずにいるところも。もちろん、大きなブランドや発信力があるということは、多くの人の意識を変える力は持っている。でも、多くの場合、搾取的な資本主義的構造の中でのフェミニズムやクィアネスは「綺麗に」されてしまう。複雑で未解決の、「醜い」部分は決して見せない。
最終的に商品を売るため、ブランドのイメージをよくするために「可愛く」扱われてしまうフェミニズムとクィア… 議論され続けなければいけない、本当に向き合わなければいけない、「醜い」部分なしの「イメージ」としてのフェミニズムとクィアを押した時にどうなるのか?権力と特権を持つ人が、抑圧された/疎外された個人、コミュニティ、運動から、「売れる」「きれいな」部分だけを抽出して、都合いい断片だけを売り込み続けたときに、それは本当の変化をもたらすのだろうか?
私はクイアやフェミニズムの、その「醜い」部分と見つめ会ってこそ本当の変化が起きると思っている。暴力や差別、女性やジェンダーノンバイナリーの人が直面する数知れない不平等ーー特にその中でも移民、黒人、先住民、トランスの人々、セックスワーカーなど、社会全体に見捨てられてしまう人々。フェミニストやLGBTQIA+のコミュニティーの中でも、人種、民族、ジェンダー、障害、階級、宗教、性的志向によって存在する差別......。これらの 「醜い」部分は有名な企業やブランドには剥ぎ取られ、「綺麗」な部分のみが商品化されていく。「男女平等」を掲げ、プライド月間にはロゴや壁を虹色に染められ、フェミニズムやクィアが美化され、利用され、売られ、消費されていく。
確かに美しい。社会で定められた「美しさ」ではなくて。女性やジェンダーノンバイナリーの人が手を取り合い、共に創造し、共に立ちあがり、家父長制やあらゆる差別と戦うというのは時に涙が出るほど美しいと思う。でも、その美しい部分だけを利用して、もしくは社会で既存する「美しさ」に塗り替えてまでして、その中にある複雑な問題を「売れる」ものに変換していくこと。それは運動や思想を商業的な利益のために利用しているだけ。